これであなたも上級者⁉︎今から始めるランナーの心得

解説者(男)

近年の健康志向の高まりにより、今やランニングの人口は1000万人とも言われています。もちろん、フルマラソンや各種記録を目指した、いわゆる”シリアスランナー”だけでなく、思いついた時にちょろっと走るだけの人もいるわけですが、そうした合計の1000万人というのは人口の10%弱ということも考えると、なかなかすごい数字ですね。

ちなみに、サッカーの競技人口は日本国内で約500万人と言われています。サッカーはほぼ男性のみということを考えると、女性も含めてその倍の人数ということは、大雑把に言えばサッカーと同じ割合で男女が取り組んでいるスポーツと言えるかもしれません。

さて、走ることはほとんどの人が誰に教わらなくてもできるものです。陸上部でゴリゴリ練習でもしない限り、走ることを人から教わることはまずありません。ましてや走るために必要な準備や、より早く、長く走るために必要な準備などは個人差などもあるため、経験者に聞きながら、自分なりに見つけていく必要があります。その中にも科学的な正否や本当に自分にあった方法かどうかなど、気にすることは実はかなりあります。

ここでは、ランニングをすでに始めているが、なんとなくやっている人、これから始める人のために、私自身(元陸上部です)の経験を基にした練習方法・調整方法や、せっかく走るならオシャレに走りたいという人向けのグッズやあると便利なグッズなど、いろいろ紹介していこうと思います。

これで今日から走り始めるあなたも上級ランナーからスタートできますよ。

『走る』コツとは?

前述のように走ることは基本的に誰でもできます。しかしだからこそ、誰にも教わらずに来ているので変な癖が付いていても簡単には抜けません。

私の経験上、この『癖』は男性の方がはるかに強くついています。理想的なランニングフォームは筋力的な無駄のないフォームとイコールなのですが、男性は走るのに必要な筋力以外の筋力もあるので、余計な力が入りやすく、フォームが崩れて無駄の多い走り方になりやすいためと考えられます。

よく、『走り始めはフォームなんて気にしないで気持ちよく走った方が良い』なんて文章を目にしますが、私は大反対です。

崩れたフォームで長く走ると簡単に怪我をします。怪我をするとせっかく乗ってきた気持ちが切れてしまって走ることが続かなくなってしまうので、最初は窮屈でも綺麗なフォームで走ることを身につけた方が良いです。

技術的なことを細かく詰めるとオリンピック選手でさえ発展途上になってしまうのですが、最低限意識すべきランニングフォームは

  • 背筋を伸ばす
  • 腰の位置を高く保つ
  • 顎を自然に引く
  • 接地は踵の外側から親指に抜ける
  • 腕振りは肘をまっすぐ引くイメージ

の4点です。

特に、怪我予防の観点から言えば、背筋を伸ばすことと、腰の位置を高く保つことが重要です。前者は腰痛の予防につながり、後者は股関節や膝の痛み予防になります。また、両者を身につけると重心が体の中心近くになるので、ある程度足の怪我なども予防できると思います

何れにしても、スキーでボーゲンから入り、水泳でバタ足からは閉めるように、走るのにもフォームを意識した基本的な動きをマスターした方が、後々のためになることは間違いありません

ランナーのための便利グッズ・オシャレグッズ

せっかく綺麗なフォームを身につけて走るのが楽しくなったのなら、外でガッツリトレーニングしたいですよね。そしてせっかく外に出るのならオシャレしたいものです。

ですがオシャレを追い求めると機能性が損なわれることもあるので、押さえるべき機能も押さえておきたいもの。そういう意味でオシャレと機能性のバランスをどこに取ったら良いかというのは非常に重要なポイントです。

私の思うランナーに必要なグッズとオシャレと機能性どちらを取るか、またその大雑把な価格について簡単にまとめてみます。

絶対必要なもの

シューズ:ランナーのすべてです。

率直に言って、これだけはお金を惜しんではいけません。また、これだけは絶対に機能性を優先すべきアイテムです。
どんなものを買えば良いかは走る人のレベルによりますが、私個人の印象でいけば、どのランナーでも、日本人であればアシックスのシューズを買うべきです。アシックスは足型が日本人の足に合わせて幅広にしてあることが最大のポイントです。幅の狭いシューズは外反母趾の原因になりますし、足が常に湾曲する形になるので走行時の接地感覚が狂い、フォームの乱れにつながります。

アシックスはこうした日本人の足とのマッチング技術もさることながら、独自の衝撃吸収材『GEL』の技術による衝撃吸収と反発を兼ね備えた、機能面でも足に優しいシューズを取り揃えたメーカーでもあります。
1km5分くらいまでのペースで走る人へは衝撃吸収性に重点を置いたGT-2000シリーズ(〜¥12000くらい)やGEL KAYANO(〜¥14000くらい)などがおすすめです。

それ以上のペースになると衝撃吸収よりも反発性に重きを置いた”ターサー”や”ソーティー”と名のつくシリーズを買っておけば間違いはありません。どちらもだいたい¥14000くらいまでで買えると思いますが、モデルチェンジの時期に旧モデルが安値で売られていることもありますので、馴染みのお店を作って定期的に通っていくのが良いでしょう。

ウエア:オシャレに全振りしたいところですが、押さえておきたいのは2点。

まず、気温に合わせて衣替えできるように何種類か持っておくこと。ただし、女性に多いのですが、極端に防寒着を揃える必要はないと思います。真冬にダウンジャケットを着て走っている人を見ることがありますが、明らかにやりすぎです。運動することを考えても、上に着るより下に来た方が良いでしょう。同じような理由で夏場に日焼けを恐れてコンプレッション系ウエアで走るのも脱水の防止の観点からおすすめできません。

ウエアとしては吸水性なども機能として必要ですが、これはランニング用であればだいたいどんなものでもそれなりに備えているのであまり気にしなくても良いでしょう。
オシャレ面に関しては個人の好みがありますのでここでは詳しく紹介しませんが、メーカーとして力を入れているのはNIKE、Adidas、アンダーアーマー、ノースフェイスなどです。

オシャレ面で意外と忘れがちなのはシューズの色とのバランスを考えることです。ランニンググッズは安全面から少し派手めに作られていることが多いので、あまりゴチャゴチャしないようにシューズと同系色でまとめると良いと思います。

長くなりましたが、2点目はパンツにポケットがあること。これは私の失敗談に基づくものですが、何も考えずにデザインだけで選んでしまい家の鍵などをしまうところがなく、困った経験があります。また、夏場にドリンクを携帯して走っている人も見かけますが、日差しと体温でどんどん温められてしまいますし、何よりも重さが気になって早く走ることができません。パンツにポケットがあれば小銭を持ち歩いて自販機で購入するということもできます。備えられているポケットは、走って落ちてしまう可能性があるので通常のズボンのようなタイプのポケットよりも、水着のようにインナーに備え付けられたタイプのものが理想です。

あると便利なもの

時計:悩みどころの多いアイテムです。

いわゆるウエアラブルデバイスのようなスマートウォッチにするか、スポーツ系の時計にするか。オシャレを意識するのなら迷わず前者なのですよね。代表的なデバイスとしては

  • Apple Apple Watch(¥42800〜)
  • Samsung Gear S2(¥25000〜)

などがありますが、これらは機能面でも以下のようなメリットがあります。

  • 時計ひとつでできることが多い⇨タイムの計測は言うに及ばず、GPSによる走行距離の管理、心拍数の把握など
  • 普段使いでも十分可能なデザインと機能性
  • 持っていること自体がステータス感がある

しかしその反面、以下のデメリットを考えなければなりません

  • 駆動時間が短く、毎回充電しなければいけない⇨続かないかも。。。
  • タイムの測定という意味ではスポーツ系の時計に機能的に劣る(ラップのメモリー数など)
  • 価格が高い
  • スマホを一緒に持っていないといけない場合がある
  • スポーツ時に携行する時計としては少し重い

これらの欠点に目をつぶれるのであればスマートウォッチはオススメです。

一方、スマートウォッチほどの機能は必要ないという人にはセイコーのスーパーランナーズシリーズがオススメです。数百本分のラップメモリー機能やソーラー充電(電池交換不要)などの機能を取り揃え、高くても¥15000程度で購入できます。

結論としては、やはりどの程度シリアスに取り組むかで決めると良いでしょう。ただ、どちらを選ぶにしても、時計自体はあった方が良いのは間違いありません。

サングラス:最近はオリンピックのランナーもよくかけていますね。

真剣勝負の場では表情を読み取られにくくするという意味がありますが、市民ランナーの場合は単純に目を守るという大きな意味合いがあります。私も感じますが、夏場に強い日差しの中で長い距離を走っていると目が開けにくくなります。また、汗が目に入るのと相まって、走った後に目がしみるという経験も多々あります。サングラスをしておけば、そうした弊害は防げると思います。

さて、どんなものが良いかというと、サングラスである以上、紫外線への対策は取れているということであればこれはかなりオシャレにふっても良いアイテムです。ただし、フレームの強さや振動への耐性(揺れて外れることがないように)を考えてスポーツ用のサングラスを選びましょう。機能面でいけば、実は黒いサングラスでも透明レンズのグラスでも紫外線への耐久性は同じらしいです。

とすればデザインで選んでも問題はないのですが、特にこだわりがない方は透明レンズのサングラスをお勧めします。やはり裸眼で見るのと明るさに差がない方が良いからです。以上のアイテムを取り揃えればあなたは今からでも走り始められると思います。

走り始めた時の走り方のコツ

さあ、グッズもそろえて走る準備は万全。すぐにでも走り始めて良いのですが、せっかく走るのであれば何か目標があった方が良いでしょう。

私の場合、一年に一回フルマラソンを走ることを目標に毎週を”トレーニング”と位置付けて走っています。その過程で地域の小さな大会などに参加して実力を測りながら、自分に足らない部分は何かを見つけてトレーニングしているイメージです。

もちろん、そこまでストイックに走るつもりのない人もいると思います。健康維持などの目的の人にとってもそうですが、毎週この時間にこれだけ走る、というのを決めておくのは良いかもしれません。自分が走る”基本コース”を作り、走った感じで体調を占うということもできるでしょう。

どのような目標の人であろうと、走り続けていると体が慣れてだんだん走れるようになってきます。間違いなく言えることは調子に乗ってやりすぎないことです。特に普段から走っていない人は知らない間に膝や腰にダメージをためてしまい、気づいた時には歩くのもままならないといった状況になりかねません。

一年を通したイメージでいけば、夏場に”トレーニング”、冬場に”レース”が基本です。夏場はどんなに頑張っても長い距離を早く走ることは絶対にできません。というより無理をすると命に関わります。夏場はできる限り早朝にできる限り長く走れるようにトレーニングし、気温が落ち着いてきた冬場にスピードが上げられるように体を作っておくというイメージです。走れないからといって夏場にサボると基本的冬場に走れなかったり、怪我をしやすくなったりします。

ランナーの格言に『夏場に走った距離は裏切らない』という言葉があります。走れない夏にどれだけ頑張れるかがポイントと言っても過言ではありません。

ランニングについてまとめ

自分の経験も生かし、ランナーの心得やおすすめグッズ、果てはトレーニングの仕方まで偉そうに述べてしまいました。私自身陸上経験者ではありますが、指導経験があるわけではなく、20年ほどの経験の中で自分で学んだものを述べているだけです。

中には『こんなの非現実的だよ』とか『自分には合わない』と思われる方もいるかもしれません。ですが、そんな方にとっても”走ること”に楽しさを抱いていらっしゃるからこそ走りたいと思われているわけで、私の方法が実行できなくても、そうした思いが共有できれば良いかなと思っています

筆者紹介

Nakka。現在35歳。中学から陸上競技(長距離)を始め高校、大学と陸上部に所属。現役時代は県大会に出場程度の実力で、それほどの実力はない(笑)。大学以降は趣味程度に走るにとどまり、代謝の減少もあり、体重が徐々に増加してきたことを受け2年前から一念発起し、それまで月間50kmほどだった走行距離を大幅に上げ、年に1回フルマラソンを完走することを自らの目標に課す。現在は月間約150kmの距離を走っている。

走っているのは主に週末のみで約30kmほど。基本的に自宅近くの川沿いを走っている。川沿いのメリットは河口までの距離が表示されているため自分の走行距離を把握できることにある。この川沿いを15km行って戻ってくるというコースで30kmの距離を稼いでいる。ランニングの他にはそのリカバリーのために水泳を少々行い、毎日体幹トレーニングとして筋トレを行っている。

一年のうち夏場は主にトレーニング、冬場は大会出場を含めたスピードトレーニングも絡め、フルマラソンの完走を目指している。最終目標は国際マラソンの参加標準記録を突破して出場し、あわよくばオリンピックへ出場すること(笑)。