私がロリータファッションを知ったきっかけは、小学生のときに読んだ漫画「原宿バンビーナ」に登場する女の子が着ていたから。

主人公のクラスメイトの彼女は、脇役ではあるがこの漫画の第1話から登場する。その過剰なまでのフリルやレースがたっぷりとあしらわれたドレスに、小学生の私は夢中になった。

漫画では、ロリータファッションが今日のように誰しもが名前くらいは知っている存在になる前から、登場人物の個性を作り出す1つの道具として使われてきた。そんな漫画の世界で見るロリータファッションを、一部ではあるがコーディネートやその系統についてクローズアップしていこうと思う。

「原宿バンビーナ」今井康絵

雑誌「ちゃお」に2001年9月号~2002年9月号まで連載された少女漫画。全2巻。

被服科の高校に通う、服作りが大好きな高校生の女の子、百地鹿の子が主人公。あだ名はバンビ。

バンビがデザインコンテストのモデルにぴったりの双子と出会い、モデルをしてもらうために奔走するところから物語が始まる。

原宿バンビーナ
私が持っている本の写真。

この主人公バンビのクラスメイトで友人の「エリちゃん」がいつもロリータファッションに身を包んでいる。漫画が公開された2000年代前半によく見られた、正統派の甘ロリを好むようだ。

彼女が初登場時にきている服は、フリルたっぷりのケープ付きワンピースにボンネット、ハート型のバッグに黒のハイソックス、ハートのストラップが付いたシューズ、スカートの裾からはフリフリのドロワーズが覗いている。

ワンピースのスカート正面には、交差したフリルがあしらわれているのだが、このデザインはこの頃のBABY,the STARS SHINE BRIGHTによく見られる。

このコーディネート自体が、ゴシック&ロリータバイブルの創刊号に掲載されている、BABYのページのスタイルと酷似しているため、作者はこれか、この頃のBABYの服を参考に描いたのではないか・・・と、推測している。

彼女が持つアイテムとそっくりなデザインなのが、BABYの別珍ケープつきワンピース、別珍ボンネット、ハートポシェット、リボン通しオーバーニーソックス、

BABYハートストラップシューズである。

「Paradise Kiss」矢沢あい

矢沢あいの漫画には、ロリータファッション(またはそれに類似したファッション)の少女がたびたび登場する。

「Paradise Kiss」は雑誌「Zipper」の1999年5月号~2003年5月号に掲載されていた作品で、同作家「ご近所物語」の続編。

2005年にはアニメ化もされている。進学校に通う早坂紫が、服飾系の学校に通う永瀬嵐らにショーのモデルにスカウトされるところから物語が始まる。

「ご近所物語」の主人公、幸田実果子の妹である櫻田実和子もメインキャラクターとして登場しており、彼女はよくロリータ系のファッションをしている。
(参考)http://mangahouse.forumfree.it/?t=53485480

画像のようにストリート系とロリータを合わせたようなスタイルのときもあれば、とことん甘めにまとめたスタイルのときもある。

実果子のブランドであるHAPPY BERRYの服を着用しているという設定であることも多く、実際に実果子も「ご近所物語」の作中で似たような系統のアイテムをよく着用している。

また、「ご近所物語」に登場する太田麻衣も、ロリータのようなファッションをすることがある。

彼女らはいずれもストリート、カジュアル、パンクなどの要素を取り入れ、典型的なロリータファッションではなく、矢沢あい独特のセンスによりコーディネートされている。

そもそも作者がロリータファッションをイメージしているかは分からないが、既存のブランドになぞらえるなら、「Candy Stripperをロリータテイストにコーディネートしたもの」が一番近いかもしれない。

矢沢あいの有名作品「NANA」の登場人物、上原美里もロリータファッションにカテゴライズされるものをよく着ている。

主人公のナナもそうだが、彼女たちが着ているブランドはほとんどがVivienne Westwoodのもの。美里はロリータ風に、NANAはパンクロック風に着こなしている。

この作品にはVivienne Westwoodが本当によく登場し、映画「NANA」ではナナ役の中島美嘉さんが実際にVivienneのアイテムを着用している。有名なものではハートジャケットやロッキンホースバレリーナ、オーブネックレス、オーブライターなど。

「黒執事」枢やな

雑誌「月刊Gファンタジー」に2006年10月号から連載されている漫画。アニメ化、映画化、舞台化もされている。19世紀末期のイギリスを舞台としており、幼い領主シエル・ファントムハイヴの執事セバスチャン・ミカエリスが主人公。
黒執事の絵は、建物や室内装飾、服装、茶器に至るまで細かい描き込みが多く、時代背景もとても忠実に再現されている。

しかし、メインキャラクター達の服装は比較的自由に描かれており、例えばシエルの服装は現代の皇子スタイルそのものである。シエルの許婚であるエリザベス・ミッドフォードは、この頃の貴族のお嬢様の服をイメージしてはいるが、
現代のロリータファッションにより近いスタイルとなっている。

ATELIER BOZやVictorian maidenは黒執事とコラボしたアイテムを出しているし、ミュージカル「黒執事」にはALICE and the PIRATESが衣装協力している。

漫画で見るロリータファッション

他にも「もやしもん」の結城蛍はゴシック&ロリータ、デスノートの弥海砂はパンクロリータなど、さまざまな漫画の中でロリータファッションが登場する。

インパクトのあるファッションが、登場人物の個性を現す方法として使用されることはよくあるが、ロリータやパンク、ゴシック系のファッションはその典型とも言えるだろう。

執筆者について(おめぐ)