2010年頃までだと、下妻物語に憧れてロリータを始めました!という人も多かったが、今はそんな人も少なくなってきているかもしれない。

しかし、ロリータを着ていれば映画は見たことがなくとも、主人公竜ヶ崎桃子を演じる深田恭子さんがBABY the STARS SINE BRIGHT(以下BABYと略す)のフリフリの服に包まれているようすを、一度は目にしたことがあるだろう。
甘ロリの中でも正統派と言える彼女のコーディネートには、憧れる人も多いはず。そんな下妻物語の竜ヶ崎桃子の人気コーディネートを、徹底解剖していこうと思う。

下妻物語とは

深田恭子と土屋アンナが主演する、2004年公開の映画。田舎町のロリータ桃子(深田恭子)と、ヤンキーのイチゴ(土屋アンナ)の出会いと友情を描いた物語。
原作はロリータ好きには言わずと知れた、嶽本野ばらによる小説。

それまで世の中で認知度の低かったロリータファッションを、世界に知らしめることとなった映画である。2004年5月に、カンヌ国際映画祭に併設されたフィルム・マーケットで上映され評判になる。
その後2006年のカンヌ国際映画祭では、カンヌJr.フェスティバルで邦画初となるグランプリを受賞!

といった名作なので、見たことがない人は今すぐDVDをレンタルするなりしてみて欲しい。コメディタッチで軽快なストーリーとなっているので、気を張らずに見ることができる。

竜ヶ崎桃子コーディネートの特徴

ほとんどのアイテムをBABYで揃えたコーディネートで、レースやフリルたっぷりのスイート・ロリータ(甘ロリ)。ワンピースを中心としたコーディネートだが、昨今の甘ロリ界で人気を博している「オリジナルプリント」等の柄物はほとんど使用されず、無地のアイテムが多い。

正統派なコーディネートだが、ロリータファッション上級者から見ても「ここにその色のアイテムを使うんだ!」といった意外性もあり、それでいてまとまりを保っているハイレベルなスタイリング。

ロリータファッションの少女が登場する多くの実写版映画やテレビドラマでは、確かにロリータではあるけれど今ひとつ感が否めない。コスプレのようだったり、確かにロリータではあるけれど典型的コーディネートすぎるため、逆にわざとらしさを感じてしまったりするのだろう。

しかし下妻物語の桃子のスタイルは「桃子らしさ」が確立されており、それが生々しさの所以、憧れられる所以だと私は考える。

映画冒頭で着用のはわせドールワンピース

(参考)http://eiga.com/movie/41000/

映画冒頭の、桃子がトラックに轢かれてキャベツと共に舞う衝撃的なシーンで着用しているのが、「はわせドールワンピース」である。

映画のパッケージでも着用している、この淡いピンクのワンピースは、裾の透かしレースがこの頃のBABYらしいデザイン。

2005年以降、何度かリニューアルされながら発売されている、BABY定番の人気シリーズ。長袖と半袖の2wayで着用ができ、桃子は半袖でコーディネートしている。

白×ピンクのヘッドドレスにピンクのバッグ、白のお袖留め、白のハイソックス、白の日傘…ここまで全てBABYのアイテムだが、脚に交差して巻かれたリボンが印象的なシューズはVivian Westwoodのもの。

超厚底のロッキンホースバレリーナは、Vivian Westwoodの定番シューズ。

(参考)http://www.buyma.com/item/7089690/

合わせた白のハイソックスも、最近はニーハイソックスやタイツ、クルー丈のソックスばかり見かけるようになった中、懐かしのロリータファッション感が出ていて良い。

この映画の中ではあまりクセのない、素直なコーディネートである。

ロリータ服と銃。エリザベスワンピース

桃子がBABYの服にその名の通り「打ち抜かれる」シーンで使われているのが、映画公開前から大人気だった、エリザベスワンピース。
ここで着用されているのは、真っ赤な生地にたっぷりの幅広レースが印象的な一着。
首から肩まで幾種類ものレースを重ね、袖にはたっぷりのギャザーを、スカートにも生地が隠れんばかりのレースをあしらい、
当時のロリータ愛好家が好きなものを全て詰め込んだようなデザイン。
このエリザベスワンピースに合わせられたアイテムは、白×赤のヘッドドレス、白のソックス、白のシューズとなっている。

サンドレス風に着こなす、ギンガムチェックのジャンパースカート

桃子が自宅で刺繍をしている際に着ている、水色ギンガムチェックのジャンパースカートのコーディネートが、「痛ロリ」などと言われ批判されることもある。

その理由は「ジャンパースカートをサンドレスのように素肌に直接着ているから」なのだが、自宅でも、暑い夏でも常にロリータファッションを着ていたい桃子ならではの着こなしなのではないだろうか。

桃子はこれに白のカチューシャを合わせているが、このカチューシャの付け方が少々前下がり気味で可愛い。

ザ・ロリータな白黒コーディネート

(参考)http://www.babyssb.co.jp/onlinestore/b40js233/

ロリータファッションを着ない、多くの人が思い浮かべる「ゴスロリ」が、このような白黒のロリータだろう。

実際は「ゴスロリ」ではなく甘ロリの一種であるが、このBABY定番の白黒ベービードールジャンパースカートを桃子も着用している。

このベビードールに白の半袖ブラウス、白のフルボンネット、白のお袖留め、黒地に白レースのハイソックス、黒のシューズ。

そして黒いハート型のバッグと白い日傘を持っているのだが、これが普段からロリータを着る人にとっては少し意外なコーディネートなのだ。

きっとこのコーディネートを普通にするなら、ボンネットは真っ白でなく黒地に白レースのものにし、ソックスは逆に真っ白のハイソックスか、今時にするならニーハイソックスになるだろう。

ボンネットのリボンの結び方も、二つに結んだ髪の前から出して結んでいるところが、リボンを強調してロリータらしさを更にアップさせている。

まとめ

原作者の嶽本野ばらの小説に登場する多くの女の子は、下妻物語に限らず乙女なファッションを偏愛している人物が多い。

BABYだけではなくJane MarpleやMILK、Vivienne Westwood、Emily Temple cute、Innocent Worldなどと登場するブランドもさまざまで、また小説内でそのコーディネートについて詳しく言及しているため、服を想像するのも楽しい。

映画「下妻物語」では、たくさんのロリータ衣装が登場し、全て紹介しきれないのが残念なところだが、もしまだ映画を見たことがないという人は、時間のあるときにぜひ鑑賞してそのコーディネートにも注目して欲しい。

執筆者について(おめぐ)