船舶免許とは

小型漁船やモーターボート等を操縦するには一級小型船舶操縦免許証又は二級小型船舶操縦免許証を、また水上オートバイを操縦するには特殊小型船舶操縦士免許証を有していなければなりません。

現在の免許区分は、ボート・ヨット用の「一級」、「二級」と水上オートバイ用の「特殊」の3区分に分けられています。また二級には「湖川小出力限定」の区分があり、川や湖に限定して15kw未満(約20馬力)の期間を搭載した船舶を操縦するための免許があります。

水上オートバイを操縦するためには、「特殊」の免許を所有しなければなりません。一級や二級の免許を取得していても特殊を別途取得しなければ水上オートバイに乗ることはできません。

小型船舶とは

「小型船舶」とは、総トン数20トン未満の船舶です。但し、総トン数20トン以上のプレジャーボートで、次の要件の全てを満たしている場合には、小型船舶に含まれます。

  1. 一人で操縦を行う構造であるもの
  2. 長さが24メートル未満であるもの
  3. スポーツ又はレクリエーションのみに用いられるもの(漁船や旅客船等の業務に用いられないもの)

免許不要の船舶

実のところ、エンジンが付いていても免許が必要のない船舶もあります。平成15年6月から、次の要件の全てを満たすボートは免許が不要となりました。また、船舶検査を受けなくても操船することができるようになりました。

  1. 長さが3メートル未満であるもの(登録長)
  2. 推進機関の出力が1.5kw(約2馬力)未満であるもの
  3. 直ちにプロペラの回転を停止することができる機構を有する船舶、または、その他のプロペラによる人の身体の傷害を防止する機構を有する船舶

免許の必要ないレンタルボートクラブとしてこのような船舶をレンタルしてくれるところもありますが、あまり遠くに出ることはできないので物足りなく思えるものです。やはり免許を取得して沖に繰り出したいものですね。

免許の種類・区分

  • 一級小型船舶操縦士
    小型船舶で操縦できる範囲は無制限です。ただし、沿海区域の外側80海里(約150キロメートル)未満の水域以遠を航行する場合は、六級海技士(機関)以上の資格を受有する者を乗り組ませねばなりません。
  • 二級小型船舶操縦士
    小型船舶で、海岸から5海里(約9キロメートル)までの海域を操縦できます。年齢が18歳未満の方は操縦できるボートの大きさが5トン未満に限定されます。18歳に達すると、特に手続きは必要なくこの限定は解除され、次回免許証更新時には限定の無い免許証が発行されます。
  • 二級小型船舶操縦士(湖川小出力限定)
    湖や川だけに利用する総トン数が5トン未満、エンジンの出力15キロワット未満の船を操縦できます。
  • 特殊小型船舶操縦士
    水上オートバイを操縦するために必要な免許です。湖岸や海岸から2海里(約3.7キロ)までの水域を操縦できます。

船舶免許

船舶免許と仕事

船舶免許をとっても、中々すぐにそれを活かした仕事に就くことができるかと言えばそういうことはないですよね。趣味で免許を取得するなどの人も相当多いようです。
仕事と言えば、船舶免許に限らず、資格等をとってもすぐに仕事にすることができないものは結構多いですね。

小型船舶免許を取るにはこういう流れ

小型船舶操縦免許を取得するには、直接、小型船舶操縦士国家試験を受験する「受験コース」と、登録小型船舶教習所において一定期間講習を受講する「教習コース」(国家試験の学科と実技が免除されます)の二つの方法があります。

教習コースは主に尾道海技学院が行っている講習です。合宿形式で学科講習と実技講習を行い最後に海技学院が行う学科試験と実技試験を合格することにより、実際の国家試験を受けなくても免許申請をすることができるものです。

他にも最近では水産高校や水産系の大学の授業内においてこのような講習が行われ卒業時にその学校の試験を合格することにより免許申請ができるようになりました。

一般的によく行われているのは「受験コース」のほうです。街中で「船舶免許受講者募集」の案内を見かけると思いますが、ほぼこのコースだと思って間違いないでしょう。

ではどれくらいの金額かというと尾道海技学院が行う講習では1級が最短4日で150,000円弱、2級が最短2日で130,000円弱となります。一般的な受験コースではほとんどが1級も2級も学科1日実技1日の講習となりますが1級が110,000円弱、2級が90,000円弱となります。

特殊免許は尾道海技学院の教習コースで75,000円くらい、一般的な「受験コース」で60,000円~80,000円と季節や日程によって幅はありますがおおむねこれくらいの金額で取得できます。

小型船舶の試験では学科試験合格者のみ実技試験を受けることができますので試験には2日間必要になります。学科合格発表の時に実技試験の日が発表になります。特殊は学科と実技が同日に行われます。

船舶免許取得のプチ情報

国家試験ということで誰もが緊張してしまいがちですが、小型船舶の試験は実際のところそれほど難しいものではありません。よく考えてみてください。学科試験の合格基準は65%なのです。

自動車免許の場合は90%の正解率が求められますが、65%なので実際50問中33問の正解で合格なのです。

合格発表の際、点数が発表されることはありませんので、あまりプレッシャーを感じる必要はありません。

実技試験の時も誰もがめちゃめちゃ緊張してしまうものです。1つのことを失敗してしまうとそれを気にするあまり引きずってしまって余計ダメになってしまうこともあります。

船には長さや高さ、エンジンの出力などそれぞれの船によって癖があったり特性があったりするものです。

実際に免許を取ったとして、その船を運転することは生涯において二度とないのです。練習の時と試験の時の2回しか試験艇には乗りません。

何が言いたいかというと、その船になれて上手になる必要はないのです。全くできないというわけにはいきませんが安全確認をしっかりして基本的な動作ができていれば大きな減点はないのです。

事実、人命救助においては落水者に見立てたブイにコツンとぶつかったり少しひいたりした程度では減点項目がありません。

着岸においても激しく激突という減点項目はありますが少々ぶつかる程度では大きな減点にはなりません。大きな減点は安全確認不足です。これでもかという位安全確認をしっかりする方がいいでしょう。

免許取得や更新の申請は本人もしくは海事代理士が行うことと明記されています。

受験コースの場合ほとんどが海事代理士を介して申請しています。この申請を自分で行うと、かなりの経費節約になります。

免許を取るには冬に取るのがおすすめです。寒いので受講者が少ないということ。ですので料金も割安になっているところが多いのです。また冬に受験するとまれにいいことがあります。

実技試験当日、強風だった場合、採点が若干甘くなる傾向にあります。またある試験項目が実施できない場合もあります。

その時はできなかった項目が満点となりますので有利に働くことがあります。といったところから冬に受験するのがおすすめです。

国家試験の概要(実技試験編)

学科試験を合格した者が受験することができます。試験項目は次の通りです。

一級・二級

  1. 小型船舶の取扱い
    発航前の準備及び点検、解らん及び係留、結索、方位測定
  2. 基本操縦
    安全確認(見張り及び機関の状態確認)、発進・直進及び停止、後進、変針、旋回及び連続旋回
  3. 応用操縦
    人命救助、避航操船、離岸及び着岸

湖川小出力

  1. 小型船舶の取扱い
    発航前の準備及び点検、解らん及び係留、結索
  2. 操縦
    安全確認、発進・直進及び停止、変針、旋回、人命救助、離岸及び着岸

特殊

  1. 小型船舶の取扱い
    発航前の準備及び点検、結索
  2. 操縦
    安全確認、発進・直進及び停止、旋回及び連続旋回、危険回避、人命救助

実技試験の採点についてはあまり公にはされていませんが、各項目で60%以上で合計70%以上の点数で合格となります。採点は減点方式で行われ、それぞれの動作において安全確認を忘れると-○点、時間○分経過で-○点といった基準が設定されています。試験を行わなかった項目については満点が与えられます。
船舶免許実技試験実施概要

国家試験の概要(学科試験編)

学科試験の科目、試験問題数(合格基準)、試験時間、出題形式は次のとおりです。

合格基準は、各科目で50%以上及び合計で65%以上の正解以上で合格となります。

船舶免許学科試験実施概要

先にも書いたように各項目50%以上合計で65%以上ということですから、たとえば2級の場合、交通の方法と運行が満点で、操縦者の心得などが5問正解だと合計で65%以上であっても不合格となってしまいますので、苦手なところを無視するということができません。

小型船舶免許には進級試験という制度があります。2級免許を取得したものが1級の免許が欲しいと思ったときに受ける試験を進級試験と言います。

上の表を見ていただくと、1級と2級の試験において一般項目の部分は出題数もすべて同じで出題科目も同じとなっています。ですので進級試験は上級科目だけを受験すればよいことになっています。

これも同じ表に各項目50%以上、合計で65%以上の正解でいいわけですから14問中最低でも3問と2問、合計で10問の正解が必要になります。

進級試験は実技試験を受ける必要がありませんので、学科試験を合格すれば1級免許になります。

他にも特殊免許取得者が2級や1級を、2級や1級取得者が特殊を受験する際などは試験項目の免除等があります。

国家試験の概要(身体検査編)

小型船舶操縦士の試験は、財団法人 日本海洋レジャー安全・振興協会が実施しています。

試験は、身体検査、学科試験、実技試験の3種類が行われ身体検査に合格しないと、学科試験受験することはできません。

身体検査合格基準

  • 視力
    両眼とも0.6以上(矯正可)。一眼の視力が0.6未満の場合は、他眼の視力が0.6以上であり、かつ、視野が左右150度以上であること。
  • 弁色力
    夜間において船舶の灯火の色を識別できること。(灯火の色が識別できない場合は、日出から日没までの間において航路標識の彩色を識別できれば、航行する時間帯が限定された免許が取得できます。)
  • 聴力
    5m以上の距離で話声語(普通の大きさの声音)の弁別ができること。(補聴器可)
  • 疾病及び身体機能の障害
    軽症で小型船舶操縦者の業務に支障をきたさないと認められること。

身体検査と銘打っていますが実のところとても簡素なものです。試験の前に一人ずつ試験官に呼び出されます。

その際に歩いてくる姿を見て身体機能の障害を確認し、名前の確認等の会話を行い張力の確認をし、視力検査機にて検査をして終わります。

執筆者について(筋肉遼太郎)