過労死・ブラック企業の口コミ・経験談・アドバイス0018学生生活を終え、地元の零細企業に就職しました。決して条件面の良い会社とは言えない労働環境ではあったものの当時志していた職種であり若い年齢も後押しし、周囲からの反対を受けながら勤め始めたのです。しかし親しい間柄の人間から受けるアドバイスに耳を傾けるべきであったと後悔する事となったのは僅か二年後の事です。親族経営の会社が上手く行かず将来に不安を感じ始めていた頃、何の知らせも無く突如明日から仕事が無いと社長から知らされました。私を含め社員の殆ど全員が状況を理解出来ず、耳を疑ったものです。殆ど夜逃げに近いような形で会社を畳み敷地内の住居からも荷物を運び出してしまっていた経営陣を引き止められず、職を失う事となりました。その後はハローワークに通い何度も求人を探したものですが、その当時が丁度不況と重なり生活の成り立つような職を見付ける事は非常に困難でした。アルバイトを続けながら漸く面接に漕ぎ着けた企業はテレビのコマーシャル等でも名前を聞くような会社で、非正規ではあるものの社会保険等完備という条件面がとても魅力的でした。夢見ていた職種とは異なるものの贅沢等言っていられずに、資格無しの自分に内定を出したこの会社に骨を埋める覚悟で尽くそうと決意を新たにしたものです。家族は有名企業への再就職を決めた私に肯定的で、漸く自立した生活をスタート出来ると意気込んでいました。しかし、後にこの時の判断を酷く後悔する事となります。

入社時丁度繁忙期であったその会社内で私の受け持つ業務は顧客を直接相手にしなければいけないものでした。覚えなければいけないアナウンスは電話帳程のマニュアルを丸暗記しなければならず、また目の前のお客様から頂く質問には都度適切な回答をしなければいけません。当たり前の事ではありますが、ここまでの流れにたった一度の口頭説明以外で先輩方からの指導を受けられず頭が真っ白になりながら四苦八苦しました。お客様にはご迷惑をおかけしましたし、休憩時間に食事を取る事は難しく全て勉強の時間に当てていました。退勤後も必ず毎日4時間以上は会社に残り仕事をしていましたし、残業代は一円も支給されずにいました。私と同日入社の同僚は一週間で無断欠勤するようになり、いつの間にか退職の扱いとなっていましたが詳しい事は分かりません。どうやら人の入れ替わりがとても激しいらしく、昨日には居た人間が次の日には姿を見せずいつの間にかまた新たに非正規が増えては日に日に減りと、これまで私が常識として捉えていた内容とは大きく逸脱した状況の職場でした。一社目に勤めていた会社で随分痛い目を見てしまった私はそれでも仕事を覚える事に躍起になっていました。次にまた失業してしまう事が恐ろしく、在職中に次の転職先を見付けられるような余裕が出来るまでは何があってもしがみつく覚悟をしていたのです。しかしこの時の見通しが甘く、転職活動はそれから随分後の事となってしまいます。

分厚いマニュアルの内容を徹夜で覚え漸く与えられている仕事を一人でこなせるようになった頃、次に試練となったのは休日出勤の要請でした。何でも私の用意した書類に不備があるとの事で休日会社から連絡が入り予定をキャンセルして出社しました。これが自分の落ち度であれば仕方のない事ですが、実際に確認してみるとミスをしている箇所は無く、その日一日会社に拘束されて何をしていたかと言えば元よりその日が出勤日であった上司の補助的な業務です。勿論この時間外業務には手当てが付きませんでしたし、ありがとうの一言も貰う事はありませんでした。休日の出勤要請はその後も月に三度程声が掛かり、断る事が出来ずほぼ毎日のように会社へ顔を出していました。聞けば正規社員の方は勿論のこと、私のような非正規の人間も同条件で働いている事が当たり前になっていて誰も咎める人間が居ないとの事です。噂に聞くブラック企業だと漸く確信したは良いものの、名のある企業に勤めている事に安堵している家族に合わせる顔が無く、また日々の業務に追われるばかりで心にも余裕を持てず転職を決意するまでに随分時間が掛かってしまいました。時給千円程で請け負える内容に限界を感じる頃には心身ともに疲れ、弱りきっていました。この頃の私は、正常な判断を出来る心理状態では無かったのだと思います。標準よりもふくよかな体型をしていた筈がいつの間にか不健康に痩せ、服のサイズが二つ程落ちました。私服で出掛ける日を作る事も出来ずにいたので悩みの種にはならなかった事が幸いです。

在職中の転職活動を諦め逃げるように退職願を提出し、漸く次の人生を模索する事が出来るようになりました。一度目の失業時と比べてもタフになっていた為か、就職活動は順調に進み貯金を切り崩す事無く新たな職を得る事が出来ました。ブラック企業で得た利益として、効率的な時間の使い方については今の会社でも十分役立てています。大抵の事では心を折られませんし、社会人として自信を持って働いている今の生活がとても幸せです。仕事選びは何があっても慎重にと胆に銘じています。

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